◆ストーリー


 ひとりの魔女がいた。
 彼女は、組織の内でとびきりの『殺しの魔女』。
 その磨き抜かれた人形遣いの技芸は、妖精さえも喜ばせ、殺しの魔法を奏でる。
 彼女は無敵だった。
 誰であろうと容赦なく命を奪い続け、生を勝ち取り続けた。
 現代社会の裏側で、ひっそりと死を振り撒き続ける、おごそかな、そして激しい彼女。
 己の職に忠実に、何も疑う事なく、己さえも疑う事なく、殺して殺して、殺し続けた。
 彼女の最後の殺しの仕事は、最も愛した者の命を奪う事だった。

 ひとりの少年がいる。
 物心つく前から、たったひとつの芸の道を歩いていた。
 バレエ。少年の生まれ育った街の片隅に、ひっそりと居を構える小さな教室で、彼は少しずつ大きく、美しい者へと移ろい変わって行った。
 幼くとも彼の生の多くは、舞踏の神に捧げられていた。
 多くを切り捨てて生きる修道士のように。信じた祈りを抱き締め続けるように。
 そして彼は今、初めての挫折の中にある。

 ふたりは、同じ夜を歩いていた。
 魔女と少年。
 人形遣いと舞踏者。
 大人と子ども。
 悪人と無垢。
 死者と生者。

 ポワール=グレイグースと鳥井寿郎は、その夜に出会う。
 二つの心が一つの身体で舞い踊る。
 

 
 ニコイチの魔法少年少女による舞踏劇開演<<タンツテアター>>!


◆舞台設定


◆世界の欠片


  ――それは、妖精を観る者たちの世界。
 最初の荒野から、最後の森へと、悠久の時を渡り歩いた女たちの世界観。
 強固に揺らがない、絶対の貌をした現代社会の裏側で、その世界観は生きている。
 形象と本質の二極を繋げる、魔女たちの芸能――魔法が残る世界。


◆魔法


 魔女と妖精の 自身の芸能(想像力を含む技能)と五感を直結し、妖精を感じ取る。
 芸能を妖精に捧げ、妖精の心を惹きつけて魔力の供与を受け、芸能をもとにした魔法として発動させる。
 芸能は、妖精を感じ取る力(受動)、妖精を拡大させる力(影響)、妖精の力を魔法に変える方法(能動)。
 感覚し、働きかけ、利用する。全ての軸は芸能。


◆魔女


 魔法を使う人間。 妖精を認識し、妖精に依る魔法を行使する者。
 理由は定かではないが、女性が多い。
 故に魔女と呼ばれる。
 魔女が妖精を認識するためには幾つかの法則がある。
 
 ・妖精の感受、認識は五感による。魔女は妖精を目で観、肌で触れ、耳で聴き、匂い、味わう事が出来る。しかし、五感全てで妖精を感受、認識できる魔女は稀で、大抵は妖精に対する感覚の欠落がある

 ・また、自身が感受、認識した妖精のみを魔女は感受できる。魔女は、他の魔女の妖精を客観視できない。


◆妖精


 魔力を持つ存在。
 あらゆるものに宿っているのに、とても微かで、感受や影響や利用が極めて困難な者。
 魔女は妖精を承認する。
 魔女は妖精を認め、手を叩く。


◆魔女の森


 『殺し』を生業とする魔女たちの秘密結社。
 マフィアやギャングと大差のない、秘密主義を持つ暴力団体だが、その活動は一般のマフィアやギャングとは多少なりとも異なっている。
 彼女たちは縄張りを持たない。
 定住せず、活動拠点が存在しない。
 彼女たちのアイディンティティは現代社会では定義できない『魔法』による『殺し』。
 他者に雇用され魔法で糧を得る事。
 現代社会の法理では魔法を裁けない、つまり魔法は存在しないも同然である。
 故に、魔女の魔法は真に自由である。
 彼女たちに、『殺し』を依頼する者は世界中に、あらゆる社会階級に存在すると言う。
 その運営は、九人の強力な魔女『ノイン・ミューズ』の合議によるものだが、ひとりの『魔女の母』を首領に頂く、とされる。






◆キャラクター紹介



◆コンテンツ

ニコイチの魔法 -Hybrid Giselle-

 著者・魚頭圭
 500円/A5判/150ページ
 バレエを習う少年、鳥井寿郎は殺しを業(わざ)とする魔女ポワール=グレイグースに出会い、魔法少女となる。
 二つの心が一つの身体で舞い踊る。ニコイチの魔法少年少女による舞踏劇《タンツテアター》開演。
 『ニコイチの魔法 イラストワークス』とのセット頒布となります。




ニコイチの魔法 イラストワークス

 著者・魚頭圭 イラスト・うずしおぽーん
 --/B5判/16ページ
 『ニコイチの魔法』の登場人物のデザイン集。
 うずしおぽーんの手によるフルカラーのキャラクターイラストの他、
 魚頭圭の創作ノートより抜粋のキャラクターポエムを収録。
 『ニコイチの魔法 Hybrid Giselle』とのセット頒布となります。